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年金受給者の確定申告不要制度

2015年01月08日

平成23年分の所得税から、年金受給者については一定の要件を満たすと確定申告をする必要がないとする制度が創設されました。これは本来は1年間の所得に応じた所得税を計算するべきではありますが、一定額以下の年金受給者には、確定申告の負担を減らそうとする目的で創設されました。

次の1と2のいずれにも該当する方がこの制度により確定申告が不要となります。
1.公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下
2.公的年金等に係る雑所得以外の所得金額20万円以下

【用語の説明】
<1.公的年金等
・・・国民年金、厚生年金、国家公務員共済組合から支給を受ける老齢年金・・・普通恩給、過去の勤務に基づき使用者から支給される年金
・・・確定給付企業年金契約に基づいて支給される年金 などをいいます。
※生命保険契約などに基づく年金(いわゆる個人年金)は公的年金等に含まれません。

<2.公的年金等に係る雑所得以外の所得金額
・・・給与所得(パート収入も)、公的年金以外の雑所得(個人年金など)、配当所得、一時所得(生命保険の満期金など)などが主なものとなります。
※これらは「収入金額」ではなく、「所得金額」であることから《給与所得は給与所得控除後の金額》《雑所得は収入金額から必要経費を差し引いた金額》《一時所得については直接経費や特別控除額を差し引いた金額を2分の1した金額》となります。

用語が少しややこしいですが、1.の公的年金のみの方であれば2.の考えは当然不要ですので、公的年金(複数ある場合はその合計額)が400万円かどうかで判断を行って下さい。
年金が400万円を超える方、または年金以外の副収入が多くある方は確定申告書を提出しなければなりません。

ここで、この制度は確定申告を「する必要がない」とする制度であり、場合によると確定申告をした方が有利になることもあります。あくまでも確定申告を「する必要がない」制度であるため、申告をしてはいけないわけではありません。

例えば、社会保険料や生命保険料の控除を受けることができる方医療費控除を受けることができる方住宅ローン控除がを受けることができる方などは、確定申告をすることで源泉徴収された金額が還付される可能性があります。これは公的年金等から源泉徴収される金額の計算にはこれらの控除が考慮されていないためです。

逆に、2ヶ所以上から公的年金を受けている方は確定申告をすることで納付額が発生してしまう場合がありますのでご注意下さい。この場合、上記の確定申告の不要制度の条件に該当していれば税務署への確定申告の提出はしない方が有利となります。

===少し細かな話になります===
一般的には所得税で有利になると、住民税でも有利になるため問題はありませんが、上記確定申告の不要制度の条件に該当した上で
所得税のために税務署に確定申告書を提出すると不利になる(例えば2ヶ所以上の年金がある)が、
住民税のために市町村に確定申告書を提出した方が有利になる
場合がまれにあります。
この場合は市町村にのみ確定申告書を提出することができます。

所得税を計算して税務署に確定申告書を提出すると、自動的に市町村にもそのデータが送信されます。これは市町村が住民税の計算を行うためです。したがって、通常は住民税の計算のために市町村に確定申告書を提出することは不要です。
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確定申告書の提出不要制度は便利な制度ではありますが、面倒でなければ不利になっていないかどうか試算をしてみることをおすすめいたします。