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書類の保存期間・欠損金の繰越控除(赤字の繰越し)

2014年12月20日

 

よく顧問先より「請求書や領収書の保存期間は何年?」と聞かれます。
「5年」とされていた頃もありましたが、現在は「7年」で場合によっては「9年」とかなり長期となっています。

とりあえずは原則は「7年」と覚えておいてください。
なお、この原稿は「法人税」のカテゴリーで書いていますが、「消費税」のための書類の保存期間も同様に「7年」です。

では保存期間が「9年」となる場合ですが、これは「欠損金の繰越控除」の制度に改正があったことによります。
この「欠損金の繰越控除」とは、簡単に言うと「欠損金(赤字)を将来の黒字と相殺することができる」ことです。
例えば、
・平成26年度:100万円の赤字
・平成27年度:150万円の黒字
の場合、平成27年度は150万円の黒字にもかかわらず、50万円(150万円△100万円)の黒字として、法人税を計算することができることとなります。

さて、赤字の相殺はいつまで繰り越すことができるのでしょうか。
当然、将来に相殺すれば消えてしまいますが、相殺しなければいつまで繰り越すことができるのでしょうか。

これが以前は「7年」(原則の帳簿の保存期間と一致)だったのですが、平成23年に改正があり、平成20年4月1日以後に終了する事業年度に発生した赤字からは「9年」繰り越すことができることとなりました。
※平成23年の改正ですが、平成20年4月1日と遡った事業年度に適用されます。

ここで書類の保存期間に話を戻しますと、原則は「7年」ですが、まだ使っていない赤字で7年を超えて8年、9年目に使おうとするものが残っている場合、それを証明するため「9年」間の保存が必要となるわけです。

上記のように、赤字は最大で7年~9年繰り越せますが、期限が来ますと使わないまま消えてしまうこととなります。節税対策をしすぎて、会社の資金が流出しすぎることがあります。せっかくの赤字(という言い方も変ですが)の有効利用を考えた上での節税対策が必要となります。

 

<注意点>
・今回は話を分かりやすくするため、「赤字」「黒字」の言葉で説明しましたが、正確には帳簿上の赤字、黒字のことではなく、法人税を計算するために一定の調整をした金額でそれがマイナスの場合を「欠損金」、プラスの場合を「所得金額」のことを言います。

・資本金が1億円以下の法人等(中小法人等)は、赤字額をの100%を将来の黒字と相殺することができますが、中小法人等以外の法人は黒字の80%までに制限されています。(平成24年4月1日以後に開始する事業年度より適用)